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2005年12月おススメの逸品

今月のファンファンのお勧めはこれです。


2005年12月のおススメ
CDお勧め1

ベニー・グッドマン
 /ケン・バーンズ・ジャズ〜20世紀のジャズの宝物
   国内盤新品 1995円(税込)



皆様のご支援のお陰で、ファンファンは
1985年12月12日12時開店(!)以来、
無事20周年を迎えることが出来ました。
スタッフ一同、心より感謝致します。

さてファンファンが20周年なら、こちらは50周年ということで、
以前にもご紹介したように、日本にヒット・パレードが誕生して以来、
既に半世紀という年月が流れた事になる。
大先輩でいらっしゃる大薗哲夫さんのHPによると、
日本初のヒット・パレード番組は、1955年7月17日スタートの
ニッポン放送「今週のヒット・パレード」(DJ高崎一郎氏)となる。
ただ一般的には10月1日スタートの文化放送「ユア・ヒット・パレード」の
知名度があまりにも高いため、こちらを日本初のヒット・パレード番組とする
認識が強いようである。
(実際、僕も大薗さんのHPの記述を見るまでは、そう思っていた)
僕自身、「ユア・ヒット・パレード」の初代パーソナリティである
故・茂木幹弘さんにかつて大変お世話になっており、
今回はこの「ユア・ヒット・パレード」について、少し触れてみたい。

当初は毎週土曜日の夜8:00〜8:30の30分番組で、
文化放送の茂木幹弘・田中まり子、両アナウンサーが担当した。
当時はまだテレビはあまり普及しておらず、
最大の娯楽と言えば映画という時代だった。
そのため映画音楽を中心とした番組作りが特徴だった。
番組の構成はベストテン(後にベスト20)のランキングを紹介し、
上昇曲の中から選出した曲、及び上位3曲を放送するというもので、
途中に新曲紹介と新着映画紹介のコーナーを設けていた。
最初のランキングは2週目の10月8日に放送された。

 1 ロック・アラウンド・ザ・クロック/ビル・ヘイリーと彼のコメッツ
 2 ベニスの夏の日(旅情)/ロッサノ・ブラッツィ
 3 はだしのボレロ/ユーゴ・ウィンターハルター楽団
 4 恋人よわれに帰れ/トニー・マーティン
 5 パリのお嬢さん/ジャクリーヌ・フランソワ
 6 モンマルトルの丘/コラ・ヴォケール
 7 セレソ・ローサ/ペレス・プラード楽団
 8 チャ・チャ・チャは素晴しい/エンリケ・ホリン
 9 デビー・クロケットの唄/ウォルター・シューマン
10 グリズビーのブルース/ラリー・アドラー

上位3曲を映画音楽が独占したということで、大いに話題になった。
そして番組開始当時の最大のヒットメーカーが、
今回ご紹介するベニー・グッドマンということになる。
(やっと辿り着いた)
彼は1920年代に既に活動を始め、
スイング・ジャズ全盛の1930年代にはクラリネット奏者として、
またバンド・リーダーとして一時代を築き上げた。
そんな彼の伝記映画「ベニー・グッドマン物語」が
1955年に制作され、その影響で当時の日本のヒット・パレードには、
ベニー・グッドマンのナンバーが次々と登場することになった。
 「レッツ・ダンス」
 「グッドバイ」
 「その手はないよ」
 「あなたの想い出」等々
あまりにも多くの彼のヒット曲を全て揃えるのは大変だが、
このCDなら代表曲がレーベルを超えて収録されているので、
入門編として最適だろう。
なお彼は57年、64年、80年に来日を果たしている。

                    
by naka


CDお勧め2


Chappie/NEW CHAPPIE
1999年作品 AICT-1126 当店税込み価格1800円

家陣は、pal@pop、井上陽水、松本隆、草野正宗(スピッツ)
小西康陽、細野晴臣、といった超豪華ラインナップ。
デザイナー集団「グルーヴィジョン」が生み出したキャラクター
「CHAPPIE」のイメージソング集と言っていいかな?
よって、曲毎にボーカルも違っていろいろ楽しめる仕掛け。
トラック1の、「ダイスキ」のボーカルサンプリングは
川本真琴(何処行った?)など。
トラック10松本隆作詞、細野晴臣作曲。編曲ティンパンアレイ
は特に秀逸。ボーカルはおそらく近頃ではCMで時々お見かけする
足の綺麗な作詞、演奏もこなす、旦那さんは良い俳優になったあの方では?


                           by shin


レコードお薦め

TELEVISION / MARQUEE MOON  ELK-52046
                当店税込2800円

ニューヨーク・アンダーグラウンド・ニューウェーブ・パンク!
ヴェルヴェットと共に最重要バンドの最重要1stアルバムデビュー盤!
繊細、ナイーブ、刹那の感性がギリギリなテンションで放つトム・ヴァーレイン
とリチャードロイドの2本のツインギターのフレーズが聞き所。
そぎ落とされた無駄のないメロディ、哀愁や悲壮感すら漂うピュアな情熱とが絡
み合う二人のリフ&ソロは歴史に残る名演である事は間違いなく、後生のあらゆ
るギターバンドに多大なる影響を及ぼしている芸術レベルなもの。ドアーズとは
ひと味違う煌めきや脆さ、ダイナミックさが、あいまみえる曲ばかり。タイトル
ナンバーの「マーキームーン」はロングチューンながらストーリー展開するアレ
ンジとドラマチックな構成で表現された必聴の名曲。短命で終焉を迎えるバンド
の感情、時代の空気、あらゆる全てが凝縮封印されたアルバム。冴え渡る切れ味
抜群のギター、ヒステリックなヴォーカル、
文句無しの70’sロック名盤!
                     
by toya

2005年11月のおススメ

CDお勧め1

1910フルーツガム・カンパニー/ベスト
 国内盤新品 2243円(税込)


彼等の曲は、先日も僕が出演しているラジオ番組「Dobbのロック塾」で
オンエアしたばかりだが、まだこのコーナーで取り上げていなかったので
あわてて(笑)ご紹介することにした。
子供でも楽しめるバブルガム・サウンドの代表グループで、
当時ラジオから流れる頻度は、ビートルズ、モンキーズ、ビー・ジーズに
匹敵するほどと言ってよいくらいだった。
長い奇妙なグループ名(最も上には上がいるもので、ブッダ・レーベルには、
ロックン・アンド・ロール・ダブル・バブル・トレイディング・カード・
カンパニー・オブ・フィラデルフィア・19141というグループがいた!)
は、リーダーのフランク・ジャッケルが屋根裏で見つけた
風船ガムの包み紙から名付けたと言われていたが、
彼等の当初の実体は、リード・ヴォーカルのマーク・ガトコフスキーの
ソロ・プロジェクトに近いもので、殆ど実体のないグループだっただけに、
ガムの包み紙云々の話もどうやらでっち上げっぽい。

全米では「サイモン・セッズ」「ワン・ツー・スリー・レッド・ライト」
「インディアン・ギヴァー」の3曲をトップテン入りさせており、
日本でもそれぞれにヒットを記録しているが、
おそらく日本での最大のヒットは、69年暮れから70年初頭にかけて
多くのヒット・パレード番組でNo.1に輝いた「トレイン」だろう。
この曲については、番組では敢えて当時のアナログ・ヴァージョンを
オンエアした。
というのも現在CD化されているヴァージョンには、
当時イントロや間奏で聴かれた汽笛の音が入っていないのである。
アナログ時代もLPやコンパクト盤は全て「汽笛無しヴァージョン」で
おそらく初版のシングルのみに汽笛が入っていたものと思われる。
単にシングルとアルバム・ヴァージョンの違いなのか、
あるいは日本盤シングルのみに汽笛がダビングされていたのか。
(ロニーとデイトナスの「GTOでふっとばせ」みたいに)
それともSLから次第に電化が進んで来たために、
ご時世に合わせて汽笛の音をカットしたのか(???)
この点についての明確な記述は、未だに目にしたことがない。

それはともかく、この頃になると初期のバブルガム・サウンドは
すっかり影を潜め、「トレイン」はR&B風、
「愛の設計」はスペクター風、「恋はかくれんぼ」はブラスロック風と
音楽性も多様になって来る。
おそらく正式なラインナップも揃えられていたのか、
71年には「箱根アフロディーテ・コンサート」に出演のため
来日を果たしている。
当日のメイン・アクトはあのピンク・フロイドであり、
時代はシングル盤によるポップス全盛期から、
アルバム主体のロック時代へ移り変わっていたのだった。

                    
by naka
CDお勧め2

ロバータ・フラック/ナイト・トゥ・ミュージック(原題:Set The Night To Music)
         輸入盤 当店税込み価格1000円

1991年作品。プロデュースのアリフ・マーディンは他にも
ベット・ミドラー、アレサ・フランクリン、ダリル・ホール&ジョン・オーツ等を手がける。
1曲目はなんと大御所クインシー・ジョーンズのラップからスタート。
2曲目は、エアロスミス「ミス・ア・シング」や
スターシップ「愛はとまらない」のコンポーザー、ダイアン・ウォーレンによる
レゲエ・シンガー、マキシ・プリーストとのデュエット。
他にも、スタイリスティックス、ナット・キング・コールなどのカバーを含む

少し肌寒くなってきた季節に、暖まるHOTな作品です。
「優しく歌って」くらいしか知らない方はぜひ!!

                           by shin

レコードお薦め

carleen anderson / blessed burden
                   UK盤CIRCAA35
          当店税込 2500円


アシッドジャズ・ブームを創世記から牽引した重要バンド、ヤングディサイプルズの
ボーカリストとしてデビューして、ソロ転向後の2ndアルバム。
JBの血が流れる血統の才能はやはり卓越!ここではそれまでの流れから一転して
プロデューサーにポール・ウェラーを迎えてのロックテイスト溢れるサウンドに
なっている。しかもドラム:スティーブ・ホワイト、オルガン:ミック・タルボット
ですからもう100%スタカンです。音自体はポールウェラー節全開のまさに
「裏・ヘビー・ソウル」としてもおかしくない程モッド!ポールマッカトニーや
ヴァンモリスンなどのナイス・カバーも含め作曲、アレンジ、歌まで歌ってますから、
ウェラー、痛快な位やりたいようにやってます。しかも抜群にカッコイイ。
やはりこの時期のウェラーはノッてます。ブラック・フィーメイルシンガーとの
相性は元奥さん同様申し分ないですね、ソウル魂あってロックでアコースティックで
泣けるメロディ。最高です。
マザーアースのvo&gのマット・デイトンもギター参加渋いソロ披露しています。
地味な印象なアルバムのようですが間違いなく最高傑作!

                     by toya

2005年10月のおススメ


CDお勧め1

三人娘(中尾ミエ・伊東ゆかり・園まり)/COLEZO
 新品 2000円(税込)


歌謡界の超人気アイドルは、なぜか三人一組で売り出されることが多い。
男性では御三家(橋幸夫・舟木一夫・西郷輝彦)
    新御三家(郷ひろみ・野口五郎・西城秀樹)等
御三家・新御三家は、全盛期においては、人気の点でまさに拮抗しており、
それぞれ三人がベストテンの上位3曲を占めることもしばしばだった。

しかし女性の三人組においては、なぜか人気度や活躍の時期が
微妙に違っているケースが多い。
例えば元祖三人娘、美空ひばり・江利チエミ・雪村いづみは、
デビュー時においては、
江利チエミが「テネシー・ワルツ」の大ヒットで一歩リードしていたが、
すぐに美空ひばりが歌謡界の女王として君臨するようになり、
他の二人との差は大きく開いて行った。
僕の印象としては、江利チエミはテレビドラマ「サザエさん」等に
出演している女優さんであり、雪村いづみはしばらくアメリカに
いたため印象が薄かった。

今回ご紹介する中尾ミエ・伊東ゆかり・園まりは、
当初スパーク三人娘として売り出され、
洋楽のカバーを中心に歌っていたが、歌謡曲の歌手として
成功を収めた時期は、各々が見事にずれていた。
まず「可愛いベイビー」で中尾ミエが昭和37年にブレイク、
40年の「夢みるシャンソン人形」あたりまでヒットが続いた。
その昭和40年に園まりの「何も云わないで」がヒット、
翌41年の「逢いたくて逢いたくて」「夢は夜ひらく」で
人気を決定付ける。
昭和42年には最も出遅れていた伊東ゆかりが
「小指の想い出」で大ヒットを飛ばし、以降「恋のしずく」
「知らなかったの」「青空のゆくえ」等、連続ヒットで、
すっかりヒットメーカーとなった。
今回のCDでは、カバーポップス時代から歌謡曲時代の曲まで、
各時代の代表曲が、コンパクトにまとめられている。

次の三人娘、南沙織 ・小柳ルミ子・天地真理が、
女性三人組の中では、最も均等な人気を保っていたと思われる。
(デビュー当時レコード売上で一歩遅れを取った南沙織が、
 リクエスト部門では最も強かった等)
花の中三トリオ、森昌子・桜田淳子・山口百恵については、
森昌子が最もベストテンを賑わせていたのは他の二人が
デビューする前であり、以降は本格的演歌歌手として
アイドルとはちょっと違った路線を歩み始めた。
また淳子・百恵は途中までは人気・実力共にほぼ互角だったが、
「横須賀ストーリー」以降、山口百恵の方が大きくリードして行った。   

80年代以降は、三人をひと括りにすること自体が難しくなる。
たのきんトリオではあきらかにヨッちゃんが異質な存在であり、
むしろ田原俊彦・近藤真彦・松田聖子という、
男女混合三人組とした方がしっくり行く。
(結果的には松田聖子・中森明菜・小泉今日子という括りも可能だが)
平成四人娘と言われた、中山美穂・南野陽子・工藤靜香・浅香唯
あたりを最後に、アイドル冬の時代に突入。
すっかり歌謡曲は、J−POPという名称に
取って代わられてしまった。
(現在はまた昭和歌謡見直しの動きが顕著だが)

以上アイドル三人組の系譜をごく大ざっぱに紹介して来たが、
他にも御三家時代の三田明、新御三家時代のあいざき進也のように、
プラスワンとして捉えられ、時には本家の三人をも上回る活躍をした人、
また永井秀和・阿木譲・水戸浩二のように新御三家として
売り出されながら、大きな成功を収められなかった人達など様々である。 
因みに今回ご紹介した三人娘(中尾ミエ・伊東ゆかり・園まり)のCDは、
2000円という低価格で再発売されたビクターの
「COLEZO」シリーズの中の1枚であり、
このシリーズはこれまでにも何度となくリリースされて来た
洋楽・邦楽の定番商品が、非常にお求めやすい価格で揃えられる。    
出来れば新しい選曲で出して欲しかったものも何枚かあるが、
それは贅沢というものだろうか?


                by naka



CDお勧め2

関口和之&砂山オールスターズ/World Hits!? of Southern All Stars
VICL-60796

頃、7年ぶりのオリジナルアルバム(しかも2枚組!!)がリリースされ
なおも、根強い人気を持つサザンオールスターズ。
こちらはサザンのベーシスト、ムクちゃんこと関口和之が手がけた
「公式カバーアルバム」
お馴染みのナンバーを、ワールドミュージック風よろしく
レゲエ、ボッサ、ハワイアンなどにおいしくカバー。
あれ、これサザンの曲では?って最初は思いました(笑

特にトラック4の「ホテル・パシフィック」はキューバ風の
カリビアンな感じが堪りません!!ヴォーカルは玲葉奈。
切なくも熱くダンサブルに仕上げてくれてます。

サザン大好きな人も、そうでない人も是非!!




レコードお薦め

マイルス・デイヴィス / アガルタ
             国内盤 帯付き2枚組
             品番28AP-2167
             当店税込 3800円


1975年、大阪フェステバル・ホール公演での実況録音盤。
テオ・マセロ制作、ジャケットワークは横尾忠則、宇宙感漂う、その
アートワークの如く無限に広がる精神世界と爆発するエネルギーが
みなぎるジャズ・ロックの嵐!完全にロックです。プログレッシブを
越えたフリー・ロックと呼べる様な自由度満載のライブ演奏。
ライナーノーツ注意書きに「住宅事情の許す限りボリュームを上げて下さい」と
ありますが、許さなくても上げるべき。ヘッドホン全開であれば間違いなく宇宙
に行けます。マイルス以外の固定メンバーが表現するストイックかつダイナミッ
クな演奏あってのこの時期のマイルス。エレクトリックである重要性が賛否両論
であった当時がいかに小さな論争であったかを体験できる。一発限りのセッショ
ンだけで充分。ジャズの持つスピリットの斬新な表現方法を知っていた最強のマ
イルス・バンド!
                     by toya


2005年9月のおススメ


CDお勧め番外編

VA/メロディー・ゴーズ・オン


VA/メロディー・ゴーズ・オンVOL.2


VA/メロディー・ゴーズ・オンVOL.3

 *いずれもM&Mレーベル
 国内盤中古・廃盤 各10000円 

このコーナーでは、CDに関しては
原則的にその時点で新品での入手が可能なもの、
つまりプレミア商品でないものを取り上げているが、
今回ソフトロック・ブームの出発点となった、
今では幻のアルバムが入荷したので、
番外編としてご紹介することにした。

エーサイドと並んで、
オールディーズ・ファン、ソフトロック・ファンの間で
知る人ぞ知る幻の再発レーベル「M&M」。
極めて短期間、ひっそりと活動していたため、
今やその存在自体、知る人は少ないかも知れない。
しかしその極めてマニアックなリリースぶりは、
当時のコレクター達を仰天させていた。

この「メロディー・ゴーズ・オン」シリーズ、とにかく凄い顔ぶれで、
その後ブームに乗って単独でCD化されたものもあるが、
当時これだけのアーティストを個別に揃えようとすると
本当にお金がいくらあっても足りないという状態だった。
VOL.1は、いきなりカート・ベッチャー、プロデュースによる
当時の激レアアイテム、エタニティーズ・チルドレンに始まり、
怒濤のロジャー・ニコルズ攻め、
ゲイリー・ゼクリー(イエロー・バルーン)攻めに遭う。
VOL.2以降は、監修の佐野邦彦氏による解説が入り、
またもやカート・ベッチャー、ロジャー・ニコルズ関連に加え、
ソフトロック・ファンに人気の高い、カウシルズ、
フリー・デザイン等が登場する。
VOL.3では1967年のナンバーに絞り、
フォー・シーズンズ、フィフス・ディメンション、バッキンガムス
といった大物グループから、無名のアーティストまで、
バラエティに富んだ顔ぶれになっている。

ソフトロックの魅力といえば、アーティストとしての存在感が希薄な分、
人間の声そのものの持つ美しさ、そしてその声を引き立てる
アレンジの素晴らしさと、ある意味音楽の原点に位置するものではないか。
極めて高度な音楽性を持ちながら、全くかまえることなく楽しめる。
(それゆえにハードなロックを好む層からは、
 軟弱な音楽と非難されることがしばしばだったが・・・)
ソフトロックという名称の起源といえば、日本ではアソシエイションや
クラシックス・フォーのLPを発売する際に、当時の東芝音楽工業
(現・東芝EMI)が、レコード帯のキャッチコピーとして使ったものらしい。
アメリカ等では全く違った意味合いで使われており、例えばロッド・スチュワートや
ロクセット等が該当するといった話を聞いたこともある。
「メロディー・ゴーズ・オン」以降、前述の佐野邦彦氏の企画・構成による
「ソフトロックAtoZ」という書籍が発刊され、以後も増刊を重ねている。
また大手メーカーも、自社の持つ音源からコンピレーションを組み、
一時はリリース・ラッシュとなっていた。
(現在では廃盤となっているものが多いが・・・)
更に海外のレーベルでも、例えばVarese Sarabandeからリリースされた
「Sunshine Days」シリーズのように、「メロディー・ゴーズ・オン」と
同じコンセプトに基づくコンピレーションがいくつか見受けられ、
おそらくリリースの際に、「メロディー・ゴーズ・オン」等のシリーズを
参考にしたであろう事は想像に難くない。
ソフトロックに関しては、極めて熱心な研究家の方が大勢いらっしゃるジャンルであり、
本来、私など出る幕ではないのだが、これから聴いてみようという方にとって
いくらかでも参考になればと思い、書かせていただいた。

                by naka

CDお勧め1

VA/オールディーズ BEST ONE
 国内盤新品 2345円(税込)

先日一緒にラジオをやっている仲間から
「オールディーズって、どの時代までが入るんですか?」
という質問を受けた。
結構易しいようで難しい質問ではある。
もともと“オールディーズ”とは、
「オールディーズ・バット・グッディーズ」
つまり古いが良き時代の音楽を総称する言葉で、
何年から何年までときっちり定義されたジャンルではない。
一般的な捉え方としては、ロックン・ロール誕生から
ビートルズ・ブレイク以前あたりまでを指すことが多いが、
60年代後半や、場合によっては70年代まで含まれる事もある。
各自の生まれ育った年代によって、懐かしいと感じる音楽の
種類も異なって来るのは当然だろう。
当店では大体ビートルズ解散の頃までと、
70年代でも特に60年代の香りの強いものは
オールディーズの範疇に含めて考えている。

さてこの夏はいつもにも増して、オールディーズに
接する機会が多かったように思う。
ファンファンでは、オールディーズのアナログ盤が大量入荷、
随時店頭出しも進み、只今絶賛発売中!といったところである。
またラジオでもオールディーズのナンバーを
たっぷりと流せる番組に関わらせていただいた。
そしてつい先日、NHK−FMで
矢口清治さん、ルーシー・ケントさんのDJによる
8時間近くに渡る、オールディーズの生特番が
オンエアされたのも記憶に新しい。
矢口さんは数多くの優れたDJの方の中でも、
特に僕好みの選曲をされる方で、
まあ今回はちょっとベタ過ぎ?という意見もあるようだが、
オールディーズの名曲と言うにふさわしいナンバーを
長時間に渡って聴けたという点で、意義ある番組だったと思う。
しかもゲストは加山雄三氏、ムッシュかまやつ氏という両巨頭!

これからオールディーズを聴いてみたいが、
どこから揃えれば良いのか判らないという(主に若い)方々へ。
例えば通販でよく販売されている各社の音源を持ち寄った
BOXセットで良いものが色々と出ているが、
なにぶんにも高価なものが多いので、最初は少しずつ
買い揃えられるものが良いかも知れない。
例えば以前ご紹介した「僕たちの洋楽ヒット」「続・〜」は、
選曲と言い、解説の充実度と言い、安心してお薦め出来る。
特に「続・〜」の方は、ほぼシリーズまるまる
オールディーズ時代に入っている。
また豊富に音源を持っている大手メーカーは、必ずと言って良いほど、
数種類のオールディーズ・コンピレーションをリリースしているが、
ここで注意したいのが、時折再録音のヴァージョンが
収録されていることがあるという点である。
レーベル移籍等の関係でやむを得ずといったところだろうが、
やはり当時の曲は、出来る限りオリジナル音源で聴いて欲しい。
今回ご紹介するCDは、アメリカン・ポップスの名門レーベルのひとつ、
DOTの音源を所有するMCAのコンピレーションで、
全米ヒットから日本独自のヒットまで、ビッグネームから一発屋まで、
1枚のCDに30曲を詰め込んでいる。
永年オールディーズを聴き続けている方には、
あるいは耳タコの曲ばかりかも知れないが、
オールディーズ初心者の方には、ぜひ知っておいて欲しい
名曲ばかりが揃えられている。
                   
by naka

CDお勧め2

ヒックスヴィル「トゥデイ」1996年5月発売

女性ヴォーカル1名、ギター2名のユニット。
元々はロッテンハッツというバンドだったのが分裂して、この3名で結成。
ちなみに、残りの3名は「グレイト3」として活動中。

ヴォーカルの真城めぐみ嬢は
その体型?からわかるよう時にパワフル
トラック3がそう!某TVバラエティ番組エンディングでもお馴染みかな?
、そして繊細なナンバーもおさえてくれます。

スカパラ、小沢健二、キリンジ、ケミストリー、hitomi等
のコーラスとして参加してるのは、そのあたりを認知されてるからこそだと。
現在は各々ソロ活動もしつつ、グループも継続中です。
この「トゥデイ」はメジャーでの1st。
他2枚をリリース、こちらも是非、御愛聴を。


                         
by shin


2005年9月のおススメ

レコードお薦め

ドゥービー・グレイ/ Sings for 'In' Crowders That 'Go Go'

US盤 ’65 CHARGER
          品番 CHR-M-2002
          当店税込 7800円



ノーザンソウル、モッズに大人気のドゥービーグレイの1stデビュー盤で
60’sクラシックの称号ふさわしいアルバム!chargerレーベルより。
ダンス曲「MONKEY JERK」、ラムゼイルイスなど多くのアーティスト
がとりあげている基本定番「THE IN CROWD」、ジャッキーデシャノ
ン「BLUE RIBBONS」など有名なナンバーも収録。 ノーザンソウル
的には「SEE YOU AT THE GO GO」「IN HOLLYWO
OD」など踊れるて熱く込み上がる曲も聞き所あり。艶と哀愁な歌声に古くから
のファンも今なお根強いR&B・アーリーソウル名盤。色鮮やかカラフルなジャケ
ットにもその年代の古き良き匂いが醸し出されていてソウルの根底にあるものを
POPに感じ取れる。どの曲も2分ちょっとの曲ばかりだが充分すぎるほどの内容。
ドゥービー・GREATアルバム!

                     by toya



2005年8月のおススメ
CDお薦め1



杏里「ムーンリット・サマー・テイルズ」


1998年作品。暑苦しい日々が続きますが、
そんな時にこの1枚。
彼女の歌声は、クールを感じさせてくれます。
対極はチューブの前田君くらいか(笑

直訳するところでは「月の光を浴びた夏物語」
トラック1「夏の月」は
ピアノから始まる荘厳なイントロから。
夏の恋の切なさ、儚さを感じ、
追いては涼しく響いてきます。
もちろん他の曲も、同じように・・

デビュー当初は、歌のみで作曲は後に手掛けるようになったのですが
こんなメロディーメーカーとしての資質もあったのですね。
リー・リトナーはそこに惚れたんだろうか?(笑


                         
by shin

CDお薦め2


オリジナル・キャスト/ミスター・マンディ〜ベスト・オブ
 国内盤新品 2548円(税込)



大々々好評の「ポップ・プレミアム・コレクション」に続いて
またまたポップス・ファンにとって、たまらなく嬉しいCDのリリース!
1970年の大ヒット「ミスター・マンディ」をはじめ、
当時の洋楽ファンの心をしっかりと捉えた、カナダのグループ、
オリジナル・キャストのベスト盤が、遂に世界初CD化となった。
デビュー曲「天使の兵隊」を中心とするファーストアルバム全曲に
シングル曲をプラスした構成になっている。
「天使の兵隊」「ミスター・マンディ」「愛する未来に歌おう」は
ONE BY ONEの一連のCDに収録されているが、
マイナーレーベルからの限定発売であり、
いつでもどこでも手に入るという状況ではなかった。
彼等に関しては、とにかく版権の問題が複雑で、
「僕たちの洋楽ヒット」シリーズにも当初は収録が計画されていたが、
やはり権利関係をクリアに出来ず、結局収録が見送られていた。
当店も非常にお世話になっている関係者の方々のお話や、
オリジナル・キャストのHPを開いている方の記述からも、
十年以上に渡るCD化へ向けてのご苦労がひしひしと伝わって来る。
それだけに今回のCD化実現に当たって、多くの方々から
歓喜の声が寄せられているのも、当然といえば当然だろう。

オリジナル・キャストは、全米チャート上では
「天使の兵隊」を34位に送り込んだだけの一発屋だが、
日本では続く「ミスター・マンディ」が、当時殆ど全ての
洋楽ランキング番組でNo.1を獲得。
特に「オール・ジャパン・ポップ20」では、
1970年度の年間No.1に輝いている。
(但し集計方法が変わった、5月以降の資料に基づいている)
当時なにかとエピソードが多く、
 1 ミュージカルのオリジナル・キャスト版と勘違いされていた。
 2 リーダーのブルース・イネスとヴォーカルの
  ディクシー・リー・イネスは、当初兄妹というふれこみだったが、
  来日の際のインタビューで、実は夫婦であることを
  本人達がばらしてしまった。
 3 1970年に来日、カーペンターズと同じステージに立ったが、
  レコードの音をライブで完璧に再現したカーペンターズに較べ、
  オリジナル・キャストはブラス・セクションの無いショボイ演奏で
  結構がっかりしたファンも多かった。(今となっては貴重な演奏!)
 4 当時みのもんた氏がやっていたビートルズのラジオ番組
  「カム・トゥゲザー」のテーマソングを歌っていた。
 5 日本でのラストシングルとなった「朝やけの二人」は、
  今やソフトロックを語る上で欠かせない、ロジャー・ニコルズの作品。 

オリジナル・キャストと言えば、僕などより百倍も千倍も詳しい方が
大勢いらっしゃる訳だが、敢えてポップスファンのひとりとして
書かせていただいた。
改めて“祝・世界初CD化!”
                  
               by naka



2005年8月のおススメ
レコードお薦め

フォーシーズンズ/ the 4seasons sing big hits 
         
          US盤 品番PHS-600-193
          stereo


フォーシーズンズのカバーアルバム。
A面は作曲家バート・バカラック、B面はボブ・ディランの、
作風・ジャンルも異なる二人の名曲達をチョイス!
グループの美声とフランキーヴァリの手腕光るコーラスアレンジが
原曲の持ち味プラスアルファーとして歌われています。
バカラックの繊細な面はそこなわずに、かつディランの内面性もうまく表現
してポップスの歌ものとして仕上げている。バカラック、ディランの曲は
たくさんのアーティスト達が取り上げていますが、ハーモニーに重点置いて
やっている点がおもしろい。特にディラン曲はポップなアレンジが随所に
きいていて違った側面とおくゆかさを聞き取れる。
名曲をアレンジするには勇気がいるはずだが、素晴らしい自分たちの表現で
再構築しているメロディアスなカバーアルバム。
君の美声に恋してる!といったところ。goodアルバム!
                     by toya



2005年7月のおススメ
CDお薦め特別編

VARIOUS ARTISTS
POP PREMIUM COLLECTION 1969-1971 (One By One)
              当店販売価格 税込2800円  限定数発売お早めに!

                              曲目
1. Aime Ceux Qui T'aiment(天使のらくがき)/ Daniele Vidal
2. Concerto Pour Une Voix(ふたりの天使)/ Saint-Preux
3. La Valse Du Mariage(雨の訪問者のワルツ)/ Francis Lai
4. Song Of Joy(よろこびのシンフォニー)/ Miguel Rios
5. Mr. Monday(ミスター・マンディ)/ Original Caste
6. Never Mary A Railroad Man(悲しき鉄道員)/ Shocking Blue
7. Seasons(シーズン)/ Earth & Fire
8. Gypsy Queen Part.1(ジプシー・クイーン・パート1)/ American Gypsy
9. C'mon Everybody(カモン・エブリバディ)/ U.F.O.
10. Love Me With All Your Heart(太陽は燃えている)/ Engelbert Humperdinck
11. The Circle Game(サークル・ゲーム)/ Buffy Sainte-Marie
12. Il Condor(コンドルは飛んでいく)/ Gigliola Cinquett
13. Oklahoma City Times(想い出のヨコハマ)/ Bobby Sherman
14. Rainy Jane(かわいいジェーン)/ Davy Jones
15. Liverpool Hello(ハロー・リバプール)/ Capricorn
16. What's Happening(涙のハプニング)/ Edison Lighthouse
17. (Get Me Some) Help(恋のヘルプ)/ Tony Ronald
18. Butterfly(バタフライ)/ Danyel Gerard
-Additional Tracks-
19. Sing Sing Barbara(スィング・スィング・バラバラ)/ Laurent
20. Leaving It All Behind(愛する未来に歌おう)/ Original Caste

ポップスファンの皆さん、大変大変お待たせしました!
延期に次ぐ延期で、「本当に発売されるのか?」との
ご心配の声もいただきました「ポップ・プレミアム・コレクション」
遂に入荷しました。\(^^)/
現物を目の当たりにすると、
やはり待っただけの甲斐ある凄い内容です。 
以下、収録曲の入手難度について。

 5 ミスター・マンディ/オリジナル・キャスト
 6 悲しき鉄道員/ショッキング・ブルー
 7 シーズン/アース&ファイアー
 8 ジプシー・クイーン/ジプシー
15 ハロー・リバプール/カプリコーン
16 涙のハプニング/エジソン・ライトハウス
17 恋のヘルプ/トニー・ロナルド
18 バタフライ/ダニエル・ジェラール 
等は、かつて「ポップ・アラウンド・ザ・ワールド」に収録されていたが、
ご存じのように既に完売、超レアアイテムとなっており、
再発が待たれていた曲ばかり。
「悲しき鉄道員」は、もちろん回転を速めた、
当時のヒット・ヴァージョン。  
なお「ポップ・アラウンド・ザ・ワールド」収録曲の中でも、
「僕たちの洋楽ヒット」シリーズ等で入手可能になったものは、
微妙に外されているもよう。

 1 天使のらくがき/ダニエル・ビダル
は、現在一般に出回っているのは再録ヴァージョンだが、
ここで聴けるのは勿論オリジナル・ヴァージョン。

10 太陽は燃えている/エンゲルベルト・フンパーディンク
13 想い出のヨコハマ/ボビー・シャーマン
は、各々のベスト盤には未収録の日本独自ヒット。

19 スィング・スィング・バルバラ/ローラン
20 愛する未来に歌おう/オリジナル・キャスト
が、今回初CD化。
                    by naka


VARIOUS ARTISTS
POP PREMIUM COLLECTION 1971-1974 (One By One)

              当店販売価格 税込2800円  限定数発売お早めに!

                 曲目
1. Mamy Blue (マミー・ブルー) / Pop Tops
2. America America (アメリカ・アメリカ) / Spinach
3. Un Jour L'amour (ただ愛に生きるだけ)/ Martine Clemenceau
4. Together(トゥギャザー)/ Think Tank
5. Son Of My Father(サン・オブ・マイ・ファザー)/ Georgio
6. Caro Mozart (哀しみのシンフォニー)/ Sylvie Vartan
7. Gira L'amour (恋よまわれ)/ Gigliola Cinquetti
8. Forever Autumn (秋はひとりぼっち)/ Vigrass & Osborn
9. Sugar Me (シュガー・ミー)/ Lynsey De Paul
10. Jambalaya (ジャンバラヤ)/ Shocking Blue
11. Feeling (恋のフィーリング)/ Capricorn
12. Run And Run (ラン・アンド・ラン/サマータイム・キラー)/ Country Lovers
13. Rain, Rain, Rain (レイン・レイン)/ Simon Butterfly
14. Je Suis Une Chanson (私はシャンソン)/ Daniele Vidal
15. Harlem Song (ハーレム・ソング)/ Sweepers
16. House Of The Rising Sun (朝日のあたる家)/ Geordie
17. Nessuno Mai (炎)/ Marcella
18. Si On Chantait (都会のマリー)/ Julien Clerc
-Additional Tracks-
19. When Your Heart Is Full Of Love (愛の神話)/ Chris Montez
20. Cherie Sha La La (シェリーに片想い)/ Anarchic System

 1 マミー・ブルー/ポップ・トップス
は、かつて「ヒッツ・アラウンド・ザ・ワールド」に収録されていたが、
もちろんこちらも即完売、再発が待たれていた曲。

 8 秋はひとりぼっち/ヴィグラスとオズボーン 
こちらは「ポップ・アラウンド・ザ・ワールド」や
メーカー発売の数種のコンピレーションに収録されていたが、
全て廃盤となっていた。

 7 恋よまわれ/ジリオラ・チンクェッティ
は、彼女の現行のベスト盤には収録されていない。

14 私はシャンソン/ダニエル・ビダル
こちらも勿論オリジナル・ヴァージョン

 3 ただ愛に生きるだけ/マルティーヌ・クレマンソー
18 都会のマリー/ジュリアン・クレール
は、80年代(!)にディスクポート西武より発売された
幻の名コンピレーション「フレンチ・ポップス」に収録されていたが、
即廃盤、20年近く入手難の状態が続いていた。

 2 アメリカ・アメリカ/スピナッチ
15 ハーレム・ソング/スウィーパーズ
19 愛の神話/クリス・モンテス
20 シェリーに片想い/アナーキー・システム     
等が初CD化となるが、当時も大ヒットした訳ではなく、
所謂スマッシュ・ヒット状態だっただけに、
リアルタイム世代のポップス・ファンにとっては、
懐かしさもひとしおだろう。

いずれも今回のチャンスを逃したら、
またまた入手難必至の曲ばかりなので、お買い逃しなく!!!
                     
by naka


CDお薦め1


バディ・ホリー/ベスト・オブ〜
 国内盤新品 1835円(税込)


当店が開店して以来、最も安定した支持を受けているジャンルといえば、
メタルとロカビリーだろう。
世の中の流れがどうなろうと、常に新しいファン層を取り込み、
全くパワーの衰えを知らない、驚異的なジャンルである。
今回はロカビリー、ロックン・ロールの歴史を語る上で
欠かすことの出来ない重要アーティスト、バディ・ホリーを取り上げてみた。
(まあ彼の場合、ロカビリーという呼び名はあまり似つかわしくないが)
今年はロックン・ロール50周年と言われているが、
これはロックン・ロールとしての初ヒットと言われている
ビル・ヘイリ−と彼のコメッツ の「ロック・アラウンド・ザ・クロック」が
全米No.1を獲得、世界的なビッグヒットになってから50周年
ということに起因している。
ロックン・ロールの誕生ということになると諸説あり、
エルヴィス・プレスリーが初レコーディングを行なった1954年説。
同じ1954年でもクルー・カッツの「シュブーン」をロックン・ロールの
初ヒットとする説。
あるいは1951年にいち早くNo.1となった「クライ」を歌っている
ジョニー・レイが、エルヴィス・プレスリーに先駆けての
ロックン・ロール・シンガーであるとする説。
いやもっと早く1940年代の黒人音楽(当時はレース・ミュージックと
呼ばれたが、差別的な意味合いがあるとして、リズム&ブルース等の
名称に変更になった)の中に、既にロックン・ロールは誕生しているとする説。
しかし当初日本では、ロックン・ロールはすんなりと受け入れられたとは
言い難い状況だった。当時は「エデンの東」に代表される映画音楽が全盛で、
エルヴィス・プレスリーのスタイルは、センセーショナルな話題とは
なったものの、実際により高い人気を集めていたのは、
パット・ブーン、ポール・アンカといった、
もっとソフトなイメージのシンガー達だった。
ましてバディ・ホリー、エディ・コクラン、リッチー・ヴァレンスといった
ロックン・ローラー達は、現在では考えられないほど知名度は低かった。
当時のバディ・ホリーのアナログ・シングルが、まずお目にかかることのない
激レアアイテムと化していることからも証明されている。
バディ・ホリーの日本での知名度が徐々に上がり始めたのは、
1972年にドン・マクリーンで全米No.1となった
「アメリカン・パイ」の中で、バディ・ホリーが亡くなった日を
“音楽が死んだ日”と歌っており、
更に映画「アメリカン・グラフィティ」の中で彼の曲が使われたり、
リンダ・ロンシュタットが彼の曲を次々とカバーしたりで、
やっとこさといった印象である。
また76〜77年にかけてロックン・ロール・リバイバル・ブームが起こり、
日本でも多くのオールディーズ・アルバムが再発され、
入手しやすくなったことも、大いに影響しているだろう。
バディ・ホリー・サウンドの特徴と言えば、「ペギー・スー」に代表される
ドラムの連打と、独特のシャックリ唱法ということになり、
ボビー・ヴィー、トミー・ロウ等、多くのフォロワーを生み出している。
彼についてはとてもここのスペースで語れるようなものではなく、
また彼の本質に触れるには、BOXセットをまるまる聴くくらいじゃなきゃ
といった声もあろうが、とりあえず取っかかりとしては、
ソロ名義とバディ・ホリー&ザ・クリケッツ 名義の代表曲を
20曲収録した本作から行ってみるのも良いだろう。
ここのところ当店ではまた、ロカビリー、ロックン・ロールのCDが
かなり入荷して来ているので、在庫リストも併せてご覧ください。

                   by naka

2005年7月のおススメ
レコードお薦め

東京キューバンボーイズ/ヴィーナス〜ニュー・マンボ・アルバム
                 品番 JDX-39
                 帯付き 当店税込 3000円

本にラテン音楽を定着させた偉大な先駆者、
見砂直照率いる日本が誇るグレイト・ラテンバンド!
ムード・軽音楽・イージーリスニング的にくくってしまうには
余りにもったいない程の躍動感と当時の時代感覚ではかなり先取りしていた
音と演奏力を兼ね備えたグループ。お洒落に、かつダイナミック
にキューバ・ラテン音楽を巧に表現しています。このアルバムは
ロック〜フォークポップス系の曲を中心にラテン・カバーしたもので、
タイトル通りのニュー・マンボ・アルバム。1曲目のショッキングブルー「ヴィ
ーナス」のリズムアンサンブルなどは目を見張らずにいられないし、黙って聴き
きながすにはいられない思わず腰にくるナイスなダンスナンバー。他ビートルズ
やハーブアルパート、BS&Tの曲を斬新なビートとリズムで料理した抜群なダン
スチューンが収録。夏にうってつけのアルバム。
                     by toya


2005年6月のおススメ
CDお薦め1


林田健司「Marron」VICL−765
96年5月22日発売。


デビューは91年、翌92年に発売された
セカンド・アルバム「unbalance」に収録された
「$10」をSMAPがカバーし大ヒット。
一躍脚光を浴びる。その後もSMAPを始め
他アーティストの楽曲を手掛ける・・

今回ご紹介する「Marron」は
レコード会社を移籍しての第一弾。
本人はキッス、エアロなどのハードロックを学生時代に聴き
音楽の道に進んだらしいが、
彼の紡ぎ出す曲は、どちらかというと
70年代のディスコ&ソウル系に属してる趣があり。
演奏陣はマイケル・ブレッカー、デヴィッド・T・ウォーカー、
オマー・ハキムといった錚々たる顔ぶれ。
フュージョン大好きな方にはたまらないアンサンブルを
繰り広げちゃってます。

この季節のドライブのお供にいかがでしょうか?
                        
 by shin


CDお薦め2


メリー・ホプキン/ポスト・カード
 国内盤新品 2548円(税込)



僕が出演しているクロスFM「Dobbのロック塾」の
「音故知心」コーナーで、5月に取り上げた1970年のチャートに
いつも以上に大きな反響をいただきました。
やはり当時を知らない世代にとっては、
 3位「レット・イット・ビー」ビートルズ
 2位「明日に架ける橋」サイモン&ガーファンクル
という歴史的名曲を当時のチャートの中で聴けたこと。
そしてその2曲を押さえてトップに輝いたのが
エジソン・ライトハウスの「恋のほのお」ということで、
リアルタイム世代の方々にとっても、感慨深いチャートであったようです。
(「恋のほのお」の1位を見事予想された方も、
 かなりいらっしゃいました。鋭さに脱帽!)
世の中では団塊世代の多くが定年を迎える2007年をひかえ
熟練された技術の継承が、大きな問題となっていますが、
我々にとってはまた違った意味合いで、
永年に渡って築き上げられた様々な優れた音楽を
後の世代にしっかりと継承して行くことが、
課題であると考えています。     

さて本題に入って、今月のお薦め盤は、
大好評だったバッドフィンガーに続いて、嬉しい丸オビ付き
アップル紙ジャケシリーズの第2弾、メリー・ホプキン。
前述の1970年5月のチャートでも、
「しあわせの扉」が9位で登場している。
ビートルズのポール・マッカートニーに見出され、
アップル・レーベルから「悲しき天使」でデビュー。
延々とトップを続けていたビートルズの「ヘイ・ジュード」から
遂にその座を奪った曲として、ポップスファンの記憶に強く残っている。
その後「グッド・バイ」「夢みる港」「ケ・セラ・セラ」等
ヒットを連発したが、ウェールズ出身の彼女にとって
本当に歌いたかったのはポップソングではなく、
トラッドフォーク系の歌であったようだ。
ファーストアルバムの「ポスト・カード」を聴いてみても
一連のヒットソングの印象は殆どなく、
スタンダードを中心に実に素朴な歌声が聞ける。
ウェールズ語で歌われる「ブロイディン・グウィン」
(後に「涙の教会」のタイトルで日本独自にシングルカット)
などその最たるもの。
続いてメリー・ホプキンは、71年により彼女本来の持ち味を
発揮したアルバム「大地の歌」を発表。
そしてプロデューサーのトニー・ビスコンティとの結婚〜出産のため
一時期音楽活動を休止、その間にシングルヒットを集めた
「ベスト・オブ・メリー・ホプキン」をリリースしている。
これらのアルバムも今回、紙ジャケで同時発売されている。
その後もあまり目立った活動はしていないが、
「サマータイム・サマータイム」が少し話題となったホビー・ホースや
80年代に入ってからはオアシス(もちろんノエルやリアム達の
あのオアシスではありません)に参加している。
僕が1970年の大阪万博でフィフス・ディメンションの
コンサートを観たことは、以前このコーナーでも書いたが、
実はフィフス・ディメンションの前に、
大阪万博でコンサートを行なったのが、他でもないメリー・ホプキンであり、
つまり僕が万博に行くタイミングがもう少し早ければ、
僕にとってのコンサート初体験は、メリー・ホプキンであったかも知れない。
1970年には他にも、ショッキング・ブルー、カーペンターズ、
オリジナル・キャスト等がブレイクを果たしているが、
そのオリジナル・キャストの正式CD化が遂に決定した模様で、
来々月くらいのこのコーナーで、詳しくお知らせする事が出来そう。
                  
               by naka


2005年6月のおススメ
レコードお薦め


EL NINO / same   品番 RLX-1201
            当店税込 1680円


福岡・博多天神より!!今年3月ドロップ以降地元福岡アングラシーンを中心に
着実なセールスを今なお記録中の自主レーベルRELAX7からの発売限定人気盤。
OILVE OILが、RAMP CAMPのMC FREEZを迎えての EL NINO名義でリリース!
LIBYUSからのコンピレーションに収録された名曲「LOVE EL NINO」をはじめ、
同曲インストも含む全10曲入りのEP12インチ。FREEEZの独自性豊かなラッ
プと、これまたOLIVE OILのオンリーワンなプログラミングテクニックのトラッ
クが暴れながら見事に絡まり融合した荒削りながらも、甘美な漂いも残る曲がこ
のユニットの醍醐味であり、彼らの魅力。ヒップホップでもエレクトロニカでも
アブストラクトでもありそううでなかった骨太な濃い内容!日本人アーティスト
の良さとツボを理解した圧倒的な個性を持った彼らの本格的な進出。ジャケット
アートワーク、レーベルの方向性、サウンド以外でも魅力ある推薦盤!!!
                       by toya



2005年5月のおススメ

CDお薦め1


ゾンビーズ/アルティメイト・ベスト
      〜ふたりのシーズン
 国内盤新品 2730円(税込)

ここ数ヶ月CMで大量にオンエアされている
ゾンビーズの「ふたりのシーズン」。
69年のウルトラヒットで、我々の世代にとっては
今更取り上げるまでも無いほどの超有名曲だが、
先日のクロスFM、松井伸一さんの番組のCMソング特集で、
結構この「ふたりのシーズン」を最近の曲と思って
聴いている方も多いという事を言われていたので、
敢えて今回ご紹介することにした。

1964年、ビートルズ旋風が全世界を覆っていた頃、
多くのライバル・バンドが出現、彼等を総称して
リバプール・サウンド(実際にはリバプール出身ではないグループも
多数含まれていたが)とか、マージービートなどと呼んでいた。
ゾンビーズもそんな中の一組で、結成は1962年、
ビート系のグループとも、R&B系のグループとも、
もろにアイドル系のグループとも異なる、
非常に洗練されたセンスの良い音楽性を持った、
極めてユニークな位置にあるグループだった。
「シーズ・ノット・ゼア」「テル・ハー・ノー」は初期の名作である。
また日本では、当初B面として発売されていた「アイ・ラブ・ユー」が、
67年にGSのカーナビーツが「好きさ好きさ好きさ」のタイトルでカバー、
爆発的な人気を集めたため、ゾンビーズのヴァージョンも
日本独自でヒットを記録している。(オール・ジャパン・ポップ20 第5位)
そんな彼等がセカンドアルバム「オデッセイ&オラクル」の中の1曲として
世に発表したのが「ふたりのシーズン」で、69年に全米3位を記録したが、
皮肉にもその時点でゾンビーズは、既に存在しなかった。
グループは解散した後で、リードヴォーカルのコリン・ブランストーンは
ニール・マッカーサー名義で、「シーズ・ノット・ゼア」をセルフカバー。
(このヴァージョン、結構イントロがおどろおどろしいので、
 当時「オール・ジャパン・ポップ20」のDJみのもんた氏が
 「オバケだぞう・・・」などと紹介していた。)
また71年にはコリン・ブランストーンとして、ソフトロックの傑作
アルバム「一年間」をリリースしている。
一方キーボードのロッド・アージェントは、新たにアージェントを結成、
72年に「ホールド・ユア・ヘッド・アップ」を、
全米5位に送り込んでいる。  
さて「ふたりのシーズン」の話題に戻って、
無論この曲は日本でも大ヒットしているが、
特に北九州・福岡地区での人気の高さが目立ち、
松井伸一さんの「今週のポピュラー・ベストテン」では、
なんと9週連続No.1、且つ年間チャートでもNo.1で、
あのビートルズの「ゲット・バック」さえも2位止まりに
してしまったほどだった。
今回ご紹介したCDでは、ステレオとモノラルの
両方のヴァージョンが収録されている。
いやあ、何度聴いても、この曲はカッコイイ!
                       by naka


2005年5月のおススメ
レコードお薦め


MASSIVE ATTACK / daydreaming UK盤 12inc
                  WBRT-1
                  当店税込 3800円


80年代中期、前身グループ・ワイルドバンチの活動とメンバー変換
から、3D、ダディーG、マッシュルームの3人でマッシヴアタックとして
デビュー。その時の衝撃の1stシングル12’がコレ。
シャラネルソンをvoに迎え、exメンバー・最強のトリッキーも参加して
彼らのバックボーンにあるDUB、NEWWAVEを昇華させヒップホップのエッセンス
を取り込みウォーリー・バドロー「manbo」のサンプリング・ループが印象的な
まさに記念すべき内容の1曲。歌声、ポエット、サンプル、ビート、
全てのフレーズが美しくも退廃的に響く名曲後にアルバムを発表し
UK・ブリストルシーンの中核を担う事になるこの時期〜2ndアルバム
までが最高期とされる理由は納得。グループは今なお健在で斬新かつストイック
な音を提供してくれている。
このデビュー12’シングル盤、ver違いのインストと、ワイルドバンチ時代
に自主制作された伝説のシングル「ANY LOVE」のメロディアスな別verも収
録で人気高い1枚。必聴!
                       by toya




2005年4月のおススメ

CDお薦め1


レスリー・ゴーア/スタート・ザ・パーティー・アゲイン
 国内盤新品 2940円(税込)


先日の地震に関して、多くの方々からご心配いただきました。
まだじかにはお逢いしたことのないご遠方の方
(中には海外の方も!)からもメールをいただき
本当に有り難いことと思っております。
幸い当店はこれといった被害もなく
無事営業を続けておりますが、
まだ避難生活を続けている方も大勢いらっしゃる訳で、
自然の力の恐ろしさを、今一度改めて認識しなくては
ならないでしょう。
それと共に、目に見えないはずの音楽が、
レコードやCDという目に見える形で残されていることの意義を
再度確認して行くことが必要だと思います。

さて本題に入って、今回ご紹介するのはレスリー・ゴーア。
1963年の全米No.1ヒット
「涙のバースディ・パーティー」をはじめ、
20曲近いヒットを生んだ、60年代を代表する
ガール・シンガーのひとりである。
デビュー当時僅か17歳、あのクインシー・ジョーンズに見出され
「涙のバースディ・パーティー」でデビュー。
しかもこの曲は当時、あのフィル・スペクターが
クリスタルズでレコーディングしそうだという噂が流れたため、
レスリー・ゴーア・ヴァージョンは、異例の緊急リリースとなった。
その後も「涙のジュディ」「ラッキー・ガール」
「恋と涙の17才」「恋を夢みる17才」等、ヒットを連発した。
特に「恋と涙の17才」は、当時地元のKBCラジオで
松井伸一さんが初めて担当されたランキング番組
「森キャン・サテライト・ヒットパレード」で
2位まで上がる活躍ぶりだった。
アイドル人気だけでなく、曲作りも手がける才女だったが、
60年代末以降、ヒットからは遠ざかってしまった。
20年ほど前に、ジョニー・ティロットソン、故デル・シャノン
と共に来日を果たし、テレビ番組にも出演していたのを
覚えている方も多いだろう。
彼女のベスト盤はこれまでにも何度かリリースされているが、
今回はドイツ語ヴァージョン3曲を含む
全30曲入りというヴォリュームで、
しかもリアルタイム世代ではない、現役のDJが
ライナーを書いているという点が実にユニークである。
リリースのきっかけが、原宿のショップ内で
60年代のガールものがBGMとして頻繁に
流れているということだそうで、
オールディーズがレトロ的な観点からだけでなく、
現役の音楽としても生き続けていることの証しと言えるだろう。 


                          by naka
2005年4月のおススメ
CDお薦め2

島田歌穂「Loving My Soul」
92年9月5日発売。キングレコード KICS−227

92年作品。島田歌穂と聞いて「がんばれ!ロボコン」のロビンちゃんを
思いだしたあなた、間違いなく30代ですよね?
子役から女優へ、アイドル歌手を経てミュージカル女優へ転身。
そのあたりで培われた歌唱力から
90年ドラマ「ホテル」主題歌がヒット。
この作品は、その余勢を感じさせる躍動感あるものに仕上がってます。
特にトラック@の中西圭三のペンによるものは、ドライヴ感あり
それまでの彼女の作品とは一線を画すものになってます。
お約束の洋楽カバーはIリチャード・マークスとJに収録。
特にJスターシップの名曲を、元々男女ツインボーカルのこの曲、それ故
当然声域は広くなって歌うには、かなり苦しいところを
彼女の歌唱力にはそんな心配は無用のようです。
全体的には、ウェストコースト風AORの要素をはらんだ作品とでも言いましょうか。
アルバムのサウンドを支えるアレンジャーは、松田聖子作品でも
お馴染みの大村雅朗氏。これも彼のワークスの評価すべきところでは
あると思いますが、つぐつぐ早くに亡くなってしまったのが惜しい存在であります。


                          by shin



2005年4月のおススメ

レコードお薦め


OILY・RAGS / same   US盤 original 1974
             <signature>
             当店税込 5800円

後にチャス&デイブとなる、チャス・ホッジスとデイヴ・ピーコックの二人の
前身グループのオイリー・ラグス唯一の1974年発表アルバム。
アメリカ南部のルーツ音楽を素材に、英国育ちのおっちゃん二人がカントリーや
リズム&ブルース要素を盛り込んでフォークロック的にブレンドした
アーシーなGOOD・UKスワンプ!!
ザ・バンドの『ステージ・フライト』収録「タイム・トゥ・キル」や、
アラントゥーサン作、リー・ドーシーの「ホーリー・カウ」、
クリス・クリストファーソン「Jody And The Kid」カバーなども
ばっちりキマッた選曲で表現。タイトなドラムはキングクリムゾンにも在籍して
いたイアン・ウォレス。その後ボブディランで叩いてるドラマーで、UK〜US
の繋がりがこのいなたさを生む要因かも。心地よいレイドバック感とアメリカ的
なサウンドなんだけど、どこか英国然としたポップ感覚がほどこされてる雰囲気
が日本人がこういったルーツサウンドを聴くときには大変に親しみやすい。
最近CDでもリイシュー化。
奥ぶか〜い、下町ロンドンmeetsアメリカンルーツな名盤!

                       by toya



2005年3月のおススメ
CDお薦め


弘田三枝子/しんぐるこれくしょん
 新品 3500円(2枚組)

弘田三枝子の名前から連想する曲は、人それぞれだろう。
60年代ポップスのカバー・ナンバー、
久々の大ヒットとなった「人形の家」、
最近ではジャズのスタンダード等々。
今回ご紹介するのは、コロムビア移籍後のシングル曲を中心に
レア・ヴァージョンも含めて収録した2枚組である。
コロムビアでの初ヒット「砂に消えた涙」をはじめ
1/3くらいまでは、洋楽のカバーが続く。
その後大競作となった大阪万博ソング「世界の国からこんにちは」、
ジャングル大帝レオのテーマ「レオのうた」といった
番外編的ナンバーをはさみ、ディスク2に入ると
筒美京平ナンバーの超強力な5連発!
ヒット的にはやや地味な時代だが、
メロディーラインの美しさが光る「渚のうわさ」、
その続編のジョニー・ソング?「枯葉のうわさ」、
平山三紀の「真夏の出来事」や小林麻美の
「初恋のメロディー」の原点ともいえる「涙のドライヴ」、
パンチ溢れるサマーソング「渚の天使」、
そしてモータウン風グルーヴ歌謡の傑作「可愛い嘘」。
実はその次が大ヒット「人形の家」となる訳だが、
筒美京平5連発に較べると影が薄く思えてしまうのは
僕だけだろうか?

彼女の歌唱力はデビュー時の東芝時代から際だっており、
例えば「ヴァケイション」はオリジナルのコニー・フランシスを
凌駕する出来ばえと言い切った人すらいるほど。
東芝音源はかつて2枚組ベストでCD化されていたが、
現在は廃盤状態。こちらも再リリースを期待したい。
またジャズシンガーとしても一流の彼女。
かつては北九州マガジン「おいらの街」の高野編集長の企画で
北九州でのライブアルバムをリリースしたこともある。
(現在は廃盤)
今回なんと1963年、16歳の時のジャズ・カバー・アルバム
「弘田三枝子スタンダードを唄う」がVIVID SOUNDから発売される。
超貴重な音源だけに、こちらも併せて注目したい。

                          by naka
2005年3月のおススメ
レコードお薦め


プレインソング / In Search Of Amelia Earhart

          US盤 72年 EREKTRA EKS-75044
          当店税込 5800円



GOOD TORADITIONAL UK FOLK ROCK!!
フェアポートコンヴェンションを脱退しソロ・アルバムを発表したイアンマシュ
ーズは、ソロとは別にサザンコンフォートというバンドを結成、アルバム制作後、
さらに新たにアンディロバーツ、デイブリチャーズらと共にブリティッシュ・ト
ラッド・フォークのバンド結成した。それがこのプレインソングというバンド。
UKエレクトラから発売された唯一のアルバム。
イギリスでありながらアメリカンルーツミュージックに寄せる思いがひしひしと
伝わってくるグッドタイムス・ブリティッシュ。フェアポート〜サザンコンフォ
ートの流れがうまくこのバンドで活かされて、カントリー、スワンプ、フォーク
をひとまとめにして味わい深い歌と体にとけ込むリズム感が、田舎の風景が見え
てくるような感覚で流れてくる。この牧歌的なしみじみとした味わいは、じっく
りとゆっくりした時間の中で聴くのが良い。ルーツの根底にある人間に訴えかけ
る何かがこういった音楽の中に宿されているような気がします。
さらりと哀愁漂わせそれでいて濃厚な土地感を匂わす人間味ある1枚。


                       by toya


2005年2月のおススメ
CDお薦め


リンジー・ディ・ポール/グレイテスト・ヒッツ
 輸入盤新品 3000円
 
地元のラジオ局クロスFMでオンエア中の「Dobbのロック塾」、
その中で僕が担当している「音故知心」コーナーでは、
60年代から80年代前半の、当時の洋楽チャートをご紹介しているが、
中でも中心となるのは1970年前後の時代となっている。
ランキングの枠もベストテンだけでなくベスト20まで拡げ、
全曲を可能な限り当時のヴァージョンでお届けしている。
ビートルズ、ストーンズ、S&G、ビー・ジーズ、カーペンターズ、
ミッシェル・ポルナレフ、エルトン・ジョン、T・レックス等
今でも広く知られているビッグネームはもちろんのこと、
短期間でシーンから姿を消し、いまでは殆ど耳にする機会のない
アーティスト・楽曲も頻繁に登場し、大きな反響をいただいている。
今回取り上げたリンジー・ディ・ポールも、そんな中のひとりだろう。
セクシーなルックスや歌声のイメージとは裏腹に、
曲作りや絵画にも才能を持つ、スーパー・レディである。
73年1月のチャートでは「シュガー・ミー」が、
また74年10月のチャートでは「恋のウー・アイ・ドゥ」が
ベストテン内に入っていた。
一緒に番組をやっているDobbさんもいつも言っているが、
自分が聴くつもりでCDをかけるのとは違って、
数十年間も耳にしていなかった曲が、
いきなりラジオから聞こえて来た時の衝撃と懐かしさは、
計り知れず大きいものがある。
リンジー・ディ・ポールのこのベスト盤は、
入荷が不安定で長期間在庫切れとなっていたが、今回久々に入荷した。
「シュガー・ミー」「恋のためいき」「オール・ナイト」等、
初期のヒット曲は概ね押さえられる。
唯一「恋のウー・アイ・ドゥ」が未収録なのが惜しまれるが、
そちらは既にご紹介済みのCD、
「スマッシュ・シングルズ&ハード・トゥ・ファインド・クラシックス」で
入手出来る。

世の中はすっかりネット社会となり、色々と検索してみると、
60年代、70年代のチャートの資料をお持ちの方が、
ご自分のサイトの中で手持ちのランキング・データを
公開されているケースがしばしばある。
本当に便利な世の中になったもので、僕自身もそういった方々と連絡を取り、
情報交換をさせていただくことがよくある。
そういったランキングの中の曲にも、
現在入手可能なものが思いのほか多数ありますので、
興味を持った方は、当HPまでご遠慮なくお問い合せください。
また「Dobbのロック塾」の電波は、
福岡県とその近郊までした届きませんが、
もし有線をお聴きになれる環境をお持ちの方は、
日本全国どこでもお聴きいただくことが出来ます。
http://www.usen-cs.com/ (CROSS FMは、CG-35です)。

                          by naka


2005年2月のおススメ
レコードお薦め



ルーロウルズ/ユーアーグッドフォーミー 国内盤 赤盤
                    東芝 CP-8538
                    当店税込 4800円


ルーロウルズの人気盤「YOU'RE GOOD FOR ME」、
国内初回プレスの赤盤ペラジャケットです。
基本的にはR&Bソウルシンガーの範疇で語られますが、昨今は
ジャズミュージシャンと競演したものなどが話題のようです。
R&Bでポップス・ロックナンバーも多数カバーしてバックはジャズで
それでいてブルージーかつゴスペル風でとバラエティにとんだ才を
発揮してアルバムごとに多彩さを感じさせてくれます。
さてこの盤、映画「暴力脱獄」主題歌のラロシフリンのナンバー、
モダンフォークなソングライターのゴードンライトフット作を
うまくアレンジした曲、キングカーティスの渋いR&B曲、
ブレイクビーツドラムB−2、ボンゴドラムのビートチューンA−2など
フレッドアステア主演映画に使われたジャジーなラストナンバーまで
リズミックな曲とバラードタイプのバランスがとれた聴き映えする1枚!
キャピトルレコードより。
追記ですがアルバムジャケットに「soulfully、LOU RAWWLS」と
書き込みがあり、本人のサインっぽいですが、定かではありません。

                       by toya


2005年1月のおススメ

CDお薦め

ケイシー・リンデン/ベスト〜ザッツ・ホワット・ラブ・イズ
 国内盤新品 2940円

 
皆さん、明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。m(_._)m

僕が出演しているクロスFMの「Dobbのロック塾」は、
元旦早々3時間のスペシャル・プログラムを
やらせていただいたが、その中で僕のコーナーでは、
60年代に日本独自でヒットした洋楽を
特集してお送りした。
1955年に日本にヒット・パレードが誕生して以来、
あの「エデンの東」をはじめとして、
数多くの日本独自のヒットが生まれて来た。
当時はまだ情報量も乏しく、
アメリカやイギリスの音楽がリアルタイムで
入ってくることは殆どなかった。
そこで日本の洋楽関係者たちは、
限りある音源の中から、日本人向きと思われる楽曲を探し出し、
次々とリリースして行った。
前述の「エデンの東」は、当初サントラが発売されなかったため
カバーによるリリースだったし、
本国では全く無名なアーティストの曲や、
有名アーティストの曲でもB面やアルバム収録曲で
本国では知られていない曲の中から、
リリースされるケースも多かった。
本来のA面曲が日本人に合わない曲調だったり、
地味すぎる、歌詞が判らないと良さがつかめない等々・・・
今回ご紹介するケイシー・リンデンの「悲しき16才」も
そんな中の1曲で、本来は全米で11位まで上がった
「グッドバイ・ジミー・グッドバイ」がA面なのだが、
日本ではザ・ピーナッツ等もカバーした
可憐なナンバー「悲しき16才」が、
年間トップテン入りするほどのビッグヒットになった。
その歌声で男性ファンを虜にした彼女、
実は当時16才ならぬ、20才で、
既に子持ちだったそうですから〜。残念!!!(何が?)

他にも切ないメロディラインで日本人の心をつかんだ
 「燃ゆる想い」のジャミー・クー
 「悲しき少年兵」のジョニー・ディアフィールド
 「なみだの日記」のバリー・ダーベル
等は、本国では全く無名のシンガー達。

また本国では既に大ヒットメーカーながら、
日本ではなかなか目が出なかった
 ジョニー・ティロットソン
 ロイ・オービソン
 エバリー・ブラザーズ
等も、それぞれ日本独自のヒット
 「キューティ・パイ」
 「カム・バック・トゥ・ミー」
 「すてきなデイト」
で人気アーティストの仲間入りを果たしている。

更に超ビッグネームのエルヴィス・プレスリー、パット・ブーン、
ポール・アンカ、ニール・セダカ、クリフ・リチャード、、
コニー・フランシス、ブレンダ・リー、
そしてもちろんビートルズ達も
日本独自のヒットをを数多く持っているし、
60年代半ばに日本のチャートを賑わせた
イタリアやフランスのヨーロッパ勢や、
エレキインスト・グループの多くは、
アメリカやイギリスでは、殆ど無名の人達だった。
しかし70年代以降は情報量も急激に増え、
それと反比例して日本独自のヒットは減少して行った。
古き良き時代のポップスを語る上で欠かせない
日本独自の洋楽ヒットに関しては、
これからも機会あるごとにご紹介して行きたい。

                          by naka


2005年1月のおススメ
レコードお薦め


クラフトワーク/コンピューターワールド 国内盤帯付き
                    品番 EMS-91030
                    当店税込 3500円

新年おめでとうございます。今年もファンファン宜しくお願いします。
年末よりレコードLP・シングル共にいろんなジャンルのもの入荷して
店内在庫充実しています。
HPリスト観覧、当店近郊の方は是非ご来店お待ちしております。
その中でプログレッシブロック系も若干枚数入荷しています。
久しぶりにクラフトワークの人気盤の国内美盤が入りました。
今や電子音楽、エレクトロミュージック、打ち込みもの当たり前のご時世
ですがやはり大御所の刻んだ音は全くクオリティが違います。流石です。
当然現在ヴィンテージ、当時でも触りたくても触れないほどの機材を
駆使してのいわゆるシンセ音は今でも色あせる事なく無機質に未来に
向けられています。とにかく音が太い!とかく電子音楽は薄っぺらい
人間味のない機械音楽、ましてやこの人達のアートワークもまんま
ロボットですから冷たい印象がありますが否、温かい。太く、丸く温かい
ぬくもりを感じるこの質感はテクノであってテクノでない耳心地。
81年発表アルバムで初期のものより聞き易いものでありますが、
近年の音圧とBPM上昇に頼った高揚感でなく、限りなくMIDテンポの
ループと派手さをそぎ落とし無骨に突き進むビートに絡むシンプルなメロディ
ラインはテクノミュージックの神髄まさにココにといった不動の音。
クラブミュージックでもクラシックのアフリカバンバータ「プラネットロック」
のサンプリング・ネタ「ナンバース」収録!前作「人間解体」と含めて続けて
聴きたい80’sジャーマンテクノ名作。
                       by toya


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